「QRコード決済」「Pay Pay(ペイペイ)」「LINE Pay」などの言葉を耳にする機会が増えました。
QRコード決済などキャッシュレスでの支払いは、利用してみるまでにちょっとハードルがありますよね。
「使い方」の前に「仕組み」が知りたい!
なんだかよくわからなくて手が出せない!
そんなQRコード決済初心者の方のために、今日はQRコード決済が普及しているバッググラウンドについて整理してまとめています。
Contents
QRコード決済とは?
QRコード決済とは、キャッシュレス決済、すなわち「直接的な現金でのやり取りを行わない決済方法」の一つです。
「キャッシュレス決済」にはQRコード決済だけでなく、クレジットカードなどのカード決済、suicaなどの電子マネー決済、ネットショップなどでのオンライン決済などがあります。
日本で普及してきているQRコード決済サービスには以下のようなものがあります。
【日本の主要なQRコード決済サービス】
- Pay Pay
- LINE Pay
- 楽天Pay
- d払い
- Coiney
- Origami Pay
- Bank Pay(2019年実用化予定)
- au Pay(2019年実用化予定)
など
QRコード決済での支払い方法
商品購入の際、お店のレジに提示されている専用QRコードをスマートフォンのカメラで読み取って支払いをします。
スマホのアプリ上にQRコードを表示して、店頭のバーコードリーダーやスマホで店員に読み取らせるパターンもあります。
各サービスによって多少の違いがありますが、アプリ上でクレジットカードや銀行口座を登録しておき、そこから支払う形式が多いです。
(LINE Payは銀行口座やコンビニからのチャージ形式でクレジットカードには対応していない)
なぜQRコード決済が流行ってきているのか?
なぜ、QRコード決済が流行っているのか。
我々日本人は特に、「現金でも別に困らないじゃないか…」という感覚を持つ人が多いと思います。
QRコードが流行ってきている背景は、実は世界に目を向けると理解しやすいのです。
韓国や中国ではキャッシュレスが当たり前
日本はまだ現金文化が根強いですが、実は世界的にはキャッシュレス化が進んでいます。
各国のキャッシュレス比率の一例をあげると、
韓国で96.4%、中国で60%、イギリス68.7%、アメリカ46.0%…
これに対して日本は19.8%となっています。
出典:キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識
日本は治安がよく、現金を持ち歩いても強盗などの被害に合うことが少ないこと、
キャッシュレスのセキュリティへの不信感などを感じる人が多いことなどが
キャッシュレスのメリットを感じづらい要因だと言えます。
ただ、インバウンドビジネスの相手となる訪日外国人は「キャッシュレス整備されていない日本」の現状に不便を感じています。
訪日観光者に、より居心地がよく、便利な滞在を提供するためにも、日本のキャッシュレス決済の普及は急務だとされています。
政府が発表しているキャッシュレス・ビジョンとは
2020年には東京オリンピックが予定されており、2025年には大阪万博が予定されています。
そんな訪日観光者が増える大イベントを控えるなか、経済産業省はインバウンド戦略として「キャッシュレス・ビジョン」なるものを提唱しています。
この方策では、2025年までに日本のキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げるとしています。
特に中国ではQRコード決済が主流
特に、中国ではQRコード決済の普及がすすんでいます。
「現金を持っているのは高齢者か外国人くらい」というほど現金支払いをしている人が少ないそうです。
「アリペイ」と「WeChatペイ」という2大サービスが、中国の生活インフラとなっています。
そんな中国をはじめとした世界の情勢をみて、日本でも大手通信業者やメガバンクがQRコード決済サービスに参入してきており、結果として最近よく一般消費者の耳に聞こえてくるようになり、流行ってきているというわけです。
現金主義の根強い日本で、QRコード決済の普及はハードルが高いと言われています。
電子マネーなどその他のキャッシュレス決済もあるなかで、今後QRコード決済がどの程度普及していくか……
こういった背景をざっくりとでも知っていると、世間の動向を見るのも面白いですし、流れに乗ってみるのも面白いものだと思います。
QRコード決済のメリットは?
さて、ここまでQRコード決済が普及しつつある流れをざくっとご説明してきましたが、実際にQRコード決済にはどんなメリットがあるのでしょうか?
消費者のメリットから見ていきましょう。
- 割引やポイントがついてお得
- 財布を持たなくていい
- 会計の時短になる
- 支出の管理がしやすい
なんといってもポイントがたまりやすくなったり、お得なキャンペーンなどを活用できて割引を使いやすくなったりすることが利点かなと思います。
また、「政府は、2019年10月に予定されている消費増税への経済対策としてクレジットカードなどでキャッシュレス決済した際に5%のポイント還元を検討する考えを示した。」なんていうニュースもあります。
政府がキャッシュレス化を推進している以上、QRコード決済のメリットは今後も増えていきそうです。
店舗側のメリットも見ていきましょう。
- クレジットカード決済などでは必要な読み取り用の端末専用機材が要らない
- 外国人訪日客にも対応できる
- つり銭などを準備を考えなくてよい
- 売り上げの照らし合わせや銀行への預金などの手間が省ける
- レジの混雑、レジ担当人件費などが減らせる
インバウンドの集客を強められることや、業務コストがカットできると考えると店舗のメリットはかなり大きいと思います。
まだ世間がQRコード決済に慣れていない段階では、お互い不慣れさがあると思いますが、導入が軌道にのると利便性は高いと言えそうです。
各提供会社のサイトに「QRコード決済ができるお店」として店舗情報が掲載されていることが多いので、そういった視点から集客拡大が見込める可能性も高いですね。
QRコード決済のデメリットは?
ではデメリットはどんなものがあるか。
消費者のデメリットから見ていきます。
- スマホ環境に依存する(通信環境、充電切れ、故障などのトラブルに左右される)
- アプリ提供会社に依存するので、会社のトラブルに影響を受ける
- 使えるお店が限られている
- お金のプライバシーがアプリ提供会社に筒抜けになる
アプリ提供会社が絶大な権力を握るようになる気がしますね…。
あと、ユーザーとしては、サイバー犯罪とかで「お金がネット上で盗まれた…!なんてことになったらどうしよう」という不安がありますよね。
現金強盗とはまた違って、一般市民にはセキュリティ面でなすすべがないように感じる点が不安です。
保障などが打ち出され、安心感が持てるようになるといいなと思います。
店舗側のデメリットも見ていきましょう。
- まだまだQRコード決済の認知度、普及率が低い
- レジ担当は様々な決済サービスの処理方法に対応しなければならない
- 通信環境やアプリ提供会社に依存するので、提供会社のトラブルに影響を受ける
- お金のプライバシーがアプリ提供会社に筒抜けになる
現時点では、現金も含めて様々な決済サービスが乱立しているので、対応する側の店舗従業員の仕事は煩雑になってしまう点はデメリットでしょう。
また、店舗は決済サービスに対して手数料を提供企業に支払う必要があるので、どのサービスに対応するのか見極めていく必要があるでしょう。